TAROやおや’s blog

仙台で無農薬の野菜をセットにして配達しているやおやです。

畑の思いを抱えて、街を耕す

育つ

25才くらいのとき、給料をもらうと
月に一度、東京で、とある
お寿司やさんにひとり出かけていた。
25歳で夜のお寿司やさんは敷居が高かった。
それは今でもいっしょだけど、
あのときは恐れの感情をおさえながら
挑戦するつもりでただ、通った。
 
カウンターで、お寿司をつまむ。
けれど、食べ方というのかルールや
マナーというか、そういうものがよくわからない、
周りのおじさんのことを見ると
ひとりできている人は、たいていビールを
頼んでいた。
だからぼくもビールをときどき頼んだ。
あまりお酒は飲めなかったのだけれど。
 
チーズのような風味のお通しがおいしくて
これはなにかと尋ねたり(あんきも)
次のときに「あんきも」を頼むと、いま蒸しています
といわれ、ああ、蒸すものなのかと
知ったり。
 
最後に「おわん」を、と頼むと、とてもいい風味の
あら汁が出てきて
あますべ味わう醍醐味を味わい満たされたことや。
 
おなかが減っているときは、
ただ、にぎりをと頼むより、
ときに、おまかせを、いくら位で、と
頼むようになったことや、
いろいろとお店の人とのやり取りが楽しかった。
知っていく過程。
 
やがて、知っている魚ものが、増えてくると、
客として成長してすることができた。
けれど、なかなかわからないのが
旬だった。魚の旬。
 
旬ではないものを頼んでは
「いまはない」、と冷たくあしなわれ、
頼むたびに恥をかき、学んで。
 
 
別の話。 
秋葉原、電気にこっていたとき
高校生のときとある特殊な電線ケーブルを買いに
出かけた。
これにしようか、
いや、よーく見ると
こっちかな。
なけなしのお金を持って
メーター1000円くらいのケーブル
失敗したら、なんにも使えないケーブル。
 
ちょっとしたことを店の人に聞くと
「あー?
なにいってんだ?
決まってんだろ。
だから日曜日はいやなんだ
しろーとばっかり多くてよ。」
 

ぼくがいっちゃ行けない場所だったのかな…と
それからしばらくは、秋葉原の電気街に
(いまはすっかり様変わりしちゃったみたいだけれど)
足がむかなくなった。
好きな町だったんだけれど。
 
ぼくもそう思えば、当たり前と思っている野菜の
自分の知識や仕事。
ときにびっくりすることをお客さんに
聞かれたりするけれど、
そういうことを聞けるような仕事の仕方をしたいなと、
ときに振り返り。
 
ときに逆に。配達する野菜でびっくりさせたりね。
 
そう、そしてぼくも
お客さんのなかで育っていますが
お客さんもまた、お客さんとして
育っていくのかもしれません。
 

お互いにいい育ち方ができますように。

基本セット5品1000円 標準セット6品1200円 満足セット7品1400円 大盛セット10品1950円 特盛セット13品2500円 他、ご要望に応じて苦手なものは他の野菜に入れ替えたり、追加注文可能です。