仙台の街をしばし、歩いてきました。
四角いビルの頑強な壁が崩れ、道路は
これでもかという力に
根負けしたかのように、ところどころ屈折し
今までその形を保っていたのがなにか
奇妙なことのように感じられる爪痕。
ガラスは割れたり、屋根が壊れたり、
ここにその形でいろと、言われて
ここまで保ってきたけれど、もう限界と
建物が呪縛からの許しを請いたかのよう。゜
ものごとは変化流転、ひとつとして不変なものはなく
いろんなものは、それぞれが望む形に変わっていくのでしょう。
わかっているのだけれど
ただただ、悲しい目の前の現実。
ただ、ぼくらにできるのは
そんな中、やがてくる変化を徒に恐れず、
現実を受け止め自分から変化できるような、
余力をまだそのときまで残して置くこと。
いまはまだ沈み込んだ井戸の底。
いまはまだモラトリアム。
なにもかたつけず、沈みこみ
耳も、目も、声も、ただ麻痺させたまま
時をやり過ごせるよう。
ひしていまから、もう少ししたら
なにか、ひっそりと動き出せるその日のために。
震災10日目