TAROやおや’s blog

仙台で無農薬の野菜をセットにして配達しているやおやです。

畑の思いを抱えて、街を耕す

野菜の叫び

22才位のとき、児童人形劇で音響の仕事をしている知人の
公演についていき、新潟の海で波を見ながら聞いた言葉。
音って物質の叫びなんだと、言っていたこと。
折に触れ思い出します。
ぶつかり合う音はそれぞれの個性で響くと。

 

先日野菜を配達したとき、とある若いおなかの
大きなお客さんが出てこず、
だんなさんが出てきました。
どうしたんですかと尋ねると奥さん、調子が悪くて寝ていると。
そして翌週にお会いしたとき、具合と料理できたかたずねると
だんなさんがぼくの書いたつうしんの
レシピを見ながら作ってくれて、おいしかったといってくださって。

 
 
 

こちらこそなんだかほのほのとした食卓のご様子や
だんなさんの戸惑い一生懸命さがつたわり、お話嬉しかったです。

 

ぼくは二十代のとき、無農薬野菜の販売会社にいまして
週に一度回ってくる試食調理の係りが
負担で、あれこれ野菜調理について本をめくったものです。
人のためにつくるって大変で。
けれどいまあんなことが役に立っているのかな。

 

この仕事を始めて、最初はつうしんに野菜の生産者のこと野菜の
出来具合、予想、野菜の素性、などを書いていました。
お客さんと情報を共有したくて。それといっしょに
初めての野菜の料理の仕方も。
主婦の方に、そんな素人の情報は釈迦に説法かと思うので
最初のころすごく恥ずかしくて遠慮していました。

 

でもなぜか、いちばん評判がいいのがそのおおざっぱなレシピでした。
何グラムなんて書いていない、だったその日の体調や天気や
野菜の水分や加熱時間やいろんなものでぜんぜん違うのに
何グラムや何杯なんてかいたらなかなかそこから離れられなくなってしまう。
料理はなにが正しいってないから、料理。
お客さん自信が持っている感覚で料理をして欲しくて、
それは自分で野菜と対話しながら、味見しながら
誰かのためおいしく作ろうという行為を尊重したいから
野菜の持つ、エネルギーを尊重したいから、詳しく書かないのです。

 
 

いい加減なレシピをなせ書くのかというと野菜をより
おいしく食べて欲しいというのは簡単ですがそうではなく
野菜の叫びを代弁したいのです。

こうして食べて欲しいと野菜が叫んでいるのを感じるときそれを
お客さんに伝えたくてレシピなんぞと、称して綴っています。
ときどき、自分ではなくて、直接野菜が語りかけてくるとき
スペースが足りなくて、(いつもいろんな野菜と分け合うA4のスペースです)
いらない言葉を削ったり、難儀添削しながらつうしん作っています。

 

野菜は、ぼくに声を聞いてといいます。
きっとそれが聞こえるお客さんもいると思うので
そういう方にはぼくのレシピは余計です。
でも、まだ響きが聞こえないお客さんのなにか一助になればいいなと
野菜中心でレシピを考えたりします。
たいていは、作りながら感じます。

 

どう料理されたいか。
ゆでる、炒める、蒸す、生、漬ける、など
それからその時間、味付けなど。

出来上がりが先にあるのではなく、
どう料理されたいか、次にどう味付けされたいか
に進みます、そんな組み立て。
ただそこにぼくの好みがかなり入りるのがいまのところ
ネックかな。

 
基本セット5品1000円 標準セット6品1200円 満足セット7品1400円 大盛セット10品1950円 特盛セット13品2500円 他、ご要望に応じて苦手なものは他の野菜に入れ替えたり、追加注文可能です。