くるまを停めてドアを閉める。
空間から、騒音ではない音が
耳を通りこそうとしたのを感じて、
ふと、立ち止まる。
ちりりーんという風鈴。
高い音。
8000~12000ヘルツくらいかな。
風鈴って、涼しい音といいますが、
どうなんだろう、最近気がついたんですが
音に冷涼感があるのではなく、
おそらく、音は、ただの音なんじゃないかな。
「風がふいている」
窓辺では
「外からの風が入ってきている」
それを、感じるこころが 涼しいのでしょう。
自分ではない、外からの空間で満たされるこころ
「風がふいてるよ」
「そうだね」
「涼しいね」
「そうだね 」
ひとりごとのように
自分の言葉を受け止め
肯定する
空間の心地よさ
風鈴の響きの
心地よさは、涼しさを感じる想像力と
そこにある言葉の暖かさなのかな。
と、配達しながら、風鈴の音に
足を止めた。
と、ある、
風が止んだような暑い日。