ふっと、なにげない動作のなかから、
ずいぶん、むかーしみた風景
感じた情景を思い出すことってないですか?
記憶の奥底。
商店街で、やおやさんが
店先の丸い杉の桶に里芋を
入れて、何か棒のようなもので
ごろごろ水の中でかき回していた。
手を休めては、客の相手。
芋の泥を洗っていたのでしょう。
なんでそんなことを?
それでどうなる?という小さなこどもの
疑問の中でずっと寝ていた記憶。
いま、大人のぼくが放射能の検査に出すのに
土つきのジャガイモの土をレジ袋の中で
ざっくり洗い流していたとき、
ふっと記憶の中でよみがえった情景。
いつのまにこんな時代になっちまったんだ。