一筆書きで書いたような
きれいなものが好き。
いろいろ修正して塗ったような油絵よりも。
まくねくねしているけれど
まっすぐな線を持つものが好き。
とある、レイションTさんが
盛岡にいいところ見つけたんだ
と、いう。
いつも繰り返しいう。
夢の国を語るように。
とある、ビンテージの店。
いまはもう作れないものを
鳴らせる状態でー展示販売。
すべてがそのひとつきりの個性。
まるで宝の乗った沈没船。
空想する。
過去の素晴らしい作品たち。
そのいきついた美しいものの世界をしっているか
しらないで迷うかでは、違う。
音の世界。
もしくは、映像、
連続した映像は説明にはいい。
けれどあることないこといらない情報が
入りすぎていて疲れる。
視覚なら、写真が好き。
止った時間、きりとった写真。
前後の時間を、個人個人が
それぞれが想像する
欠落した時間のながれを
それぞれのなかで再構築する。
想像力。
それが面白いと思う。
完全ではないものがつぎへの
希望をうむ。
奇数が偶数になろうと
安定しようと、転がる様に似て。
不完全が完全を
青年ができはしない理想
を追い求め、いつも逃げるそれに
まっすぐすこしずつ、ちかずき追う姿に似て。
それが未来につながる。
完璧になったら次はない。
だから今の時代はつまらない。
音にしても、
映像にしても、再現する空間は
過去、そこにいられなかった自分を思い浮かべ
後悔をにじませながら
なんども追体験をできる幸せを
かみしめる。
目指す世界を指し示す。
そんな想像できるちからが音にはある。
だからできるだけ、いい音で
想像力のじゃまをしない音でいて欲しい。
そんな装置がいまはどんどん減っている。
もうつくられることもないビンテージと呼ばれる宝物たち。
カメラのレンズも
オーディオも。
まっすぐを目指して純粋には作られなくなった。