配達さきの和食の店で、朝、
「生きているイカ みたことありますか?」と
聞かれました。
いっしゅん 考え
ない、ような気がして、そう答えると
見てください、と
一人パックの水の中で泳ぐイカ。
生き物として、頭についている透明な「耳」をひらひらさせて。
食べ物として、きらきらして、新鮮で。
ふとイカと、目があいそうになって、あわててそらしつつ
商品としてのイカの、空気と水が入ったパックに目を移し、
市場まで、こんな風に運ばれてくるんですか?
ぼくはそっちのほうが気になりながら
話をします。
見たことがあった気がしたのは、テレビか映画だったのかもしれない。
バーチャルで、見たという経験と
本当にみたという、体験をしたということは全然ちがうことかもしれない。
一瞬考えたとき、初めてみたときの感動を
覚えていなかったので、本当には見たことがない気がしました。