菜種油を搾っている工場(こうば)に行ってきました。
山のなかの一軒家。
忙しく作業をされている最中にお邪魔して
いろいろお話をさせていただきました。
「工房地あぶら」さん
夫婦二人で工場をやっています。
いままでのこと
10年ほど前は菜種をつくる農家が近所にたくさんいたので
アブラを絞ってもらうため、遠方の工場に送っていたのですが
送料も往復で、ばかなんね、なら
自分らで作ってみんね、というわけで
作ったんです、最初五人で。
だけど、10年たつうちだんだん高齢化などで
やめていくひとも出てきて
いまは北海道の契約菜種を使っている。
これからは、菜種は連作できないから
間に大豆をつくろうかと、そして
大豆油も搾ろうかと。
そんなふうに考えてる
と。
機械ももう、何十年選手のものを廃業した油屋さんから
譲ってもらったとかで
年季の入ったものでした。
よく絞れるというその機械をつくった会社ももういまはなく、
大事につかっているとのこと。
工程としては、まず菜種油を選別し
薪で煎り、一回絞り
さらにもう一度搾りかすから絞り、
ブレンドをして、二回絞った油粕は
欲しい人に販売して
アブラはそのまま、三日静置して、不純物を
下に溜めて、上澄みを鍋に移して温めて
濾過をして、タンクにためて、それをビン詰。
なにも加えない、なにも足さない、余分な殺菌もしない
という感じ。
もう少し大きなメーカーでは、三番にも10パーセント近く
油が残っているので
薬品を加えて絞るんだそうです。
ちなみに一番搾りをなめさせていただきましたが
これがなんとマクロビのクッキーの風味
こおばしくて甘くて、しょぱくて。
と言ったら、えっ、しょっぱい?
あ、すみませんぼくの指の味だったみたいです。
ても、おいしかった。
見に行ったひとの特権ですね。
ハナシ違いますが、
ホンダの社是か何かに、作って喜び、販売できて喜び
買って喜びというみっつの喜びを作ろうというのがあるらしいのですが
ぼくの今回は、まさに販売できてよろこびでした。
だって、買っていだだくかたがいなければ、行くことなんて
できなかったですもの。やっと行けました。
さて、菜種をつくるひとが増えて、いくといいな
買ってくださる方増えるといいな。
アブラって、市販のやけに安いですがあんなに安いのはなにか変だと
思いませんか、
そしてここのは、調味料として考えてみても
決して高くはないです。
これは、一番搾りの、非加熱無濾過の菜種油、沈澱待ち。
菜種油マニア(いるのか?)垂涎の逸品です。