たべものって、基本的に説明する言葉は不要だと思っています。
食品添加物のラベルや、へんてこなコピー
「旬の素材を特別に選び抜いた」
「限定」とか「ぎゅっと絞った」
とか、コピー、いりません。なんどがっかりしたことか。
なかでも「お菓子」は不思議に
作ったひとのセンスが伝わるもの。
たったひとくちしか食べなくても
その素材や背景、作った人の思いが
わかるときがあります。
たとえば以前、米粉でお菓子を試しに焼いたと、
味見にいただいて、それを一口食べたとき、感じたこと、
がんこで繊細。迷いのないセンス。謙虚な自信。
足さない勇気。
もし、作ったこの人に、なにか夢があって
まだアクションを起こすのに
足りない何かがあるのなら
なにか手伝いをしたいと思いました。
これから、たとえば、
ケーキや焼き菓子教室でもいい。
スイーツ講習会でもいい。
お菓子を作ろう教室でもいい。
たとえまた「足」が出てしまっても
お客さんに、喜んでいただいたり、
そのかたがなにかを踏み出す、
一歩の一助になれるのならそういう
機会を作れたらいいなと、ふと。
たったひとくちお菓子を食べただけなのに、
それは魔法のようにぼくのこころに入ってきました。
自分の背中を押されたかのような気がしました。
それがぼくのやるべきこと。
できるのに、踏みとどまっているこのひとの
少しでもなんとか、ちからになれたら。
ひとはみな、自分の自分でいられる枠を
大事にして
そのなかで自分にできることを精一杯
やるのが幸せなんです。
走れる人は走る。
話したい人は話す。
作りたい人は作る。
それがその人の持つ
表現手段。
ぼくは無農薬野菜に
一生懸命になれる。
野菜がぼくの思いを伝え
しゃべれない野菜の代わりに
ぼくが野菜の言葉を伝える。
それがぼくにできること。
そのひとはお菓子をつくって伝えたらいい。
いつか、お菓子のワークショップ
企画したい。
それはぼくの、ハードル。
お菓子への夢、みんなで育てられたら素敵。
